実像に想像を重ねる

自分は今まで拍子を把握するためにビートを取る時は、以下の複数の中から選択した方法を取っていた。

  • 右手の平で何かを叩く。
  • 右手の拳で左手の平を叩く。
  • 右手の親指から薬指(小指)で順番に太腿などを叩く。


 つまり、これらは必ず何かを叩く事で実現してきた。

 これ自体は何も悪い事じゃないが、クラシックの指揮のように右手で何も叩かず振るだけの場合、リズムに乗る事は出来ても拍子の具体的な何拍目かを脳内で数えていないと見失う事が多かった。

 そこでまず、手足を動かす以前に数えなくとも拍子を把握が出来るようになるため、脳内で上下左右の4小節リズム譜を想像して、それを眼前の実像に重ねるようにした。

 次に、既にやっている親指から小指を順番に使う方式を、何も叩かず中空でやるようにした。何かに接触した触感に依存せず、物理的に何も触れていないが正確にリズムを維持が出来るようにした。その際、無意識であるが強拍は肩や肘を使い腕で取り、弱拍を含めた細かいビートは指を使うというハイブリッドになった。

 つまり、仮想の視覚情報と、これまでやってきた事の断片を変更して、音楽に乗るようにした。これで何小節の何拍目というのを数字を数えずに把握する事が可能になった。

 仮想のリズム譜のおかげで、奇数小節と偶数小節の把握も容易となり、この曲は4小節パターンじゃないな、とか、Bメロだけ奇数小節で終わるな、とか把握が容易になった。

 自分は今まで、現実の実像を見ていると、脳内の想像が邪魔されて図象や楽譜を想起する時は目を閉じるしか無かった。しかし、精度を落としたリズム譜にする事で、実像と想像を重ねて認識する事が出来るようになった。

 これを応用すれば、いつか精度の高い想像を実像に重ねて認識する事も可能になるかも知れない。そうすると、音楽以外にも色々と出来る事が増えるので、目を閉じずに想像を実像に反映させる、という能力の獲得は、今の所は断片的ながら、可能だとわかったのは大きい。