金田一少年の事件簿

 1990年代は、そもそもミステリィが大流行していた。1987年の〈十角館の殺人綾辻行人〉が呼び水となり、1994年に〈姑獲鳥の夏京極夏彦〉、1996年に〈すべてがFになる森博嗣〉が出現して、その間の1995年に〈金田一少年〉が連載開始した。

 そして、推理作品に限らず、そもそも本それ自体が1996年前後が最も売れていた。分野の流行と媒体の頂点、その相乗効果で〈金田一少年〉は大流行した。

 「金田一少年がコナン以上にブイブイ言わせてた時代があったの!?」全盛期の金田一少年は社会現象レベルで本当に凄かった - Togetterのコメントでも言及されているが、一瞬だけマガジンがジャンプを超えた時があり、マガジンの発行部数も綺麗に一致している。

 〈金田一少年〉はドラマになりアニメになり、しかも、どちらも単発で終わらなかった事実が知名度と影響力を物語っている。特にドラマの視聴率は高水準で安定しており、毎週雑談の1つになる程だった。

 漫画の初期から中期は劇画的で迫力や色気や嫌悪感など色んな要素を内包していた。作画が女だからか、明らかに男に媚びた女キャラと裸体がありながら、女の読者にも受け入れられていたようだ。残念ながら、引き伸ばしによってネタ不足と、そして絵柄の変化によって今では見る影も無いが。

 自分が京極夏彦森博嗣を読むようになったりするのは後年だが、コロンボと同様に、推理作品という分野自体に興味を持たせてくれるようになった作品の1つである。